◆ NASとは
NAS(Network Attached Storage)は「ハードディスク、LANインターフェース、簡易OS」などにより
構成される、いわばファイルサーバ専用機です。あるいは、ネットワークストレージそのものを指します。
NASは、イーサネットLAN上のTCP/IPネットワークで通信するため、NASにIPアドレスを割り振ります。
NASは一般的にCIFS、AFP、NFSのファイル共有プロトコルをサポートしておりファイル共有ができます。
主なファイル共有プロトコル |
説明 |
CIFS ( Common Internet File System ) |
Windows OSで利用するファイル共有プロトコル |
AFP ( Apple Filing Protocol ) |
Mac OSで利用するファイル共有プロトコル |
NFS ( Network File System ) |
Unix/Linux OSで利用するファイル共有プロトコル |
NASでは、ファイルシステムを採用してファイル管理を行うため、当然ファイル単位でバックアップできます。
NASでは例えばWindowsのサーバのように、あるクライアントがNASにあるファイルを編集している状態で
他のクライアントがアクセスしてくると、現在編集中である旨が伝えられ編集がロックされます(編集不可)。
※ NASの利用IDとコンピュータのログインIDが同じである必要はなく、NASの利用IDによりファイルへのアクセス権が決まります。
◆ SANとNASの違い
SANもNASも、ストレージ装置をネットワーク経由で利用する仕組みであることは共通しているのですが、
NASではファイルシステムを介することでストレージ装置を利用できますが、SANではファイルシステム
を介することなくストレージ装置を利用できます。この違いで処理速度がSANの方がかなり早くなります。
以下はSANとNASの違いの比較表です。なお、SANには「FC-SANとIP-SAN」の大きく2種類があります。
項目 |
SAN |
NAS |
ネットワーク |
FC-SAN ( ファイバチャネルネットワーク)
IP-SAN ( TCP/IPネットワーク ) |
TCP/IPネットワーク |
プロトコル |
FC-SAN ( ファイバチャネルプロトコル)
IP-SAN ( iSCSI、FCIP、iFCP ) |
CIFS/NFS/AFP等のファイル共有プロトコル |
ストレージへのアクセス方式 |
ローデバイス(ファイルシステムを介さない) |
ファイルシステム |
ゾーニング |
可 |
不可 |
コスト |
△ (高価格) |
◎ (低価格) |
パフォーマンス |
◎ (高いパフォーマンス) |
△ (低いパフォーマンス) |
運用性/保守性 |
△ (複雑) |
◎ (容易) |
企業ネットワークでは、一般的にSANによりネットワークストレージのシステム構成することがほとんど。
SAN ( Storage Area Network ) については「SANとは、FC-SAN と IP-SANの違い」をご参考ください。
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