先に申しますとNexusのQoSは非常に難しいです。前提として、CiscoルータにおけるQoSを完全に理解し
CatalystのQoSに精通していることが大切。また、英文マニュアルを熟読し、何度も検証することが重要。
この記事では、Nexus5500シリーズにおけるQoSの解説を行います。FCoEの部分は詳細は解説しません。
QoS技術に自信のない方は、事前に「QoSとは と QoS - DiffServモデルの処理フロー」をご確認下さい。
◆ Nexus5500 - ハードウェアアーキテクチャ
QoSの解説前に、ハードウェアのアーキテクチャについて解説します。下図は筐体内部のイメージ図です。
ファブリックとしてUCF( Unified Crossbar Fabric )があり、そこにUPC(Unified Port Controller)が
接続されてUPCは8つの物理ポートを束ねています。この物理ポートは1/10G EthernetなどのSFPやが接続。
各UPC ASICはUCFで相互接続され、全てのポート間の通信はファブリックであるUCFを介し通信をします。
◆ Nexus5500 - Ingressキューイング
Nexus5500のIngressキューイングでは、egressポートからトラフィックが送信可能な状態になるまで、
そのパケットは、入力ポートのIngressバッファに保存されます。
◆ Nexus5500 - Virtual Output Queue
入力ポートのキューについてさらに詳細に解説します。各入力ポートは各出力ポートに対し8つのキューを
持っています。このキューのことをVirtual Output Queueと言います。下図のように、送出していくポート
が「1/11と1/12」である場合、入力ポートでは「1/11用と1/12用」の仮想的なoutputキューを持ちます。
各入力ポートが各出力ポートに対して8VoQ(Virtual Output Queue)持つということは、物理ポートが32
ポートあれば、1つの入力ポートごとに256 Ingress VoQを持つということです。また、先ほどの解説通り
出力ポートのQueueに空きがでるまで入力ポートでバッファされます。また、例えば1/12ポートでQueue0
の空きがない状態でも、1/11のポートでQueue0に空きがあれば、上図のように1/11にはパケットを送信。
◆ Nexus5500 - L2スイッチングのQoSプロセスフロー
Nexus5500シリーズのL2スイッチングにおけるQoSプロセスフローです。次ページ以降これを詳細に解説。
ここまでの解説は特に難しい内容はないかと思いますが、次ページ以降が理解するのに大変になってくる
かと思います。しかしL2スイッチングのQoSでは結局は上図のQoSプロセスフローをイメージできていれば
理解できるかと思うので、よく分からなくなった場合は上図を再度確認頂ければと思います。また、新しい
用語としてqos-groupが出てきますがトラフィックの識別と定義するポリシーの設定時に使用する機能です。
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