◆ Cisco機器の時刻設定
CiscoルータやCatalystスイッチに時刻設定をするためには「手動設定」「NTP」「SNTP」の3つの方法で
設定することができます。どの方法で設定する場合でも、先ずタイムゾーンの設定を行う必要があります。
シスコデバイスのタイムゾーンのデフォルトは UTC(協定世界時)となっています。日本では JST ですが
JST(日本標準時)はUTCよりも9時間進んでいるので、JST指定時に 9 時間の時差を指定して設定します。
◆ タイムゾーンの設定
(config)# clock timezone JST 9
※ 上記以外に「clock timezone JST +9」としても同じ結果となります。show runでは clock timezone JST
9 0 と表示されます。
◆ 手動設定:システムクロックの設定
Cisco機器の現在の時刻はshow clockコマンドで確認することができます。show clockで表示された時刻を
手動で変更するためには clock set コマンドを使用します。なお、この設定はシステム再起動時に消えます。
◆ システムクロックの設定
# clock set hh:mm:ss DATE MONTH YEAR
コマンド引数 |
説明 |
hh:mm:ss |
時:分:秒で時刻を指定
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DATE |
1 〜 31の間で日付を指定
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MONTH |
英語で月を指定。1月〜12月を英語で指定
1月(Jan)2月(Feb)3月(Mar)4月(Apr)5月(May)6月(Jun)
7月(Jul)8月(Aug)9月(Sep)10月(Oct)11月(Nov)12月(Dec)
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YEAR |
西暦で指定。2020年7月24日15時20分と手動設定する場合は以下の通りに設定
(config-if)# clock set 15:20:00 24 Jul 2020
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◆ 手動設定:ハードウェアクロックの設定
Ciscoデバイスには2つの時計があります。1つは先ほど紹介したシステムクロックであり、メモリ上で動作
する時計です。もう1つはハードウェアクロックです。多くのシスコデバイスには、バッテリ駆動式による
カレンダシステムが内蔵されており、システム再起動時には、システムクロックを初期化するために、この
カレンダシステムが使用されます。ハードウェアクロックは show calendar コマンドにより確認できます。
◆ ハードウェアクロックの設定
# calendar set hh:mm:ss DATE MONTH YEAR
システムクロックとハードウェアクロックは同期していないため、システムクロックの方がより正確な時刻
である場合、システムクロックの時刻情報をハードウェアクロックの時刻情報に同期させることが可能です。
◆ システムクロックの時刻情報をハードウェアクロックの時刻情報に同期
# clock update-calendar
以上が時刻の手動設定です。時刻情報を得るために、一般的には手動設定ではなく「NTP」を使用します。
◆ 参考:サマータイムゾーンの設定
日本はサマータイムが導入されていないため、ここで紹介する設定は日本での導入機器には使用されません。
◆ サマータイムの設定
(config)# clock summer-time timezone recurring week day month hh:mm week day month hh:mm offset
コマンド引数 |
説明 |
timezone |
タイムゾーンを指定。JSTなど。
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recurring |
毎年繰り返すための設定。
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week day month hh:mm |
サマータイムの開始時期。
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week day month hh:mm |
サマータイムの終了時期。
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offset |
サマータイム期間で何分間の時間を遅らせる(追加する)かを指定。デフォルトで60分間。
以下はサマータイムが2020年8月1日6時に開始し、2020年9月31日6時に終了するための設定
(config)# clock summer-time JST date 1 Aug 2020 9:00 31 Sep 2020 9:00
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