◆ NTPの基本設定
NTPクライアントとなるCiscoルータやCatalystスイッチが、NTPサーバと同期を行うためには ntp server
コマンドを使用します。同期したいNTPサーバを2台以上指定することが可能であり、その場合には prefer
オプションを付けることで、優先的に参照するNTPサーバを決めることができます。
◆ NTPサーバと時刻同期するためのNTPクライアントの設定
(config)# ntp server [ ip-address | hostname ] [ prefer ]
コマンド引数 |
説明 |
ip-address |
時刻同期を行いたいNTPサーバのIPアドレスを指定
(config)# ntp server 192.168.1.254
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hostname |
時刻同期を行いたいNTPサーバのホスト名を指定。ホスト名を指定する場合はそのCisco機器で
ホスト名の名前解決ができるように、DNSサーバのアドレスなどを指定していることが必要となる。
(config)# ntp server ntp.nict.jp
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prefer |
NTPサーバを複数指定した場合、時刻同期する優先するNTPサーバを指定するオプションコマンド。
(config)# ntp server 192.168.1.254 prefer
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CiscoルータやCatalystスイッチで複数のインターフェースがある場合、どのI/FのIPアドレスを送信元として
NTPサーバと通信するのかを指定することが推奨です。また、NTPサーバとNTPクライアントが時刻同期を
うまく行えない場合のトラブルシューティングでも送信元アドレスを指定しておくと切り分けやすくなります。
◆ NTPサーバと時刻同期する際に、送信元アドレスを指定
(config)# ntp source interface
コマンド引数 |
説明 |
interface |
送信元インターフェースの指定。IPアドレスがアサインされた物理I/Fや、VLAN I/Fを指定。
(config)# ntp source GigabitEthernet0/0
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NTPの一般的な設定は以上となりますが、CiscoデバイスをNTPサーバ(マスタークロック)として設定したい
場合は以下のntp masterコマンドを使用します。ntp masterコマンドは時刻同期に際して自身のハードウェア
クロックを参照するためのコマンドでありクローズドネットワークでNTPサーバが存在しない時に使用します。
◆ NTPサーバ(マスタークロック)として設定
(config)# ntp master stratum
コマンド引数 |
説明 |
stratum |
ストラタム(階層)を 1 〜 15 の範囲で指定。指定しない場合はデフォルトで 8 となる。
(config)# ntp master 5
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◆ 参考:NTPの基本設定
デフォルトでは、NTPによる時刻同期の対象はシステムクロックであり、ハードウェアクロックについては
同期しません。NTPでハードウェアクロックを同期するようにしたい場合は、以下のコマンドを設定します。
◆ NTPでハードウェアクロックの同期
(config)# ntp update-calendar
◆ NTP - ステータス確認コマンド
NTPサーバと同期できているかどうかは show ntp associations コマンドで確認できます。重要な確認点は
@でありこのアドレスの左側に 「 * 」 マークがあるかどうかが重要です。* マークがある場合、指定した
NTPサーバと同期できていることを意味して、* マークがなければ現在は同期していない状態を意味します。
項番 |
用語 |
説明 |
@ |
address |
NTPサーバのIPアドレス(同期している場合は * が付く) |
A |
ref clock |
NTPサーバが同期している参照先(上位のNTPサーバ) |
B |
st |
Stratumの値 |
C |
when |
NTPパケットを受信してからの経過時間(秒) |
D |
poll |
ポーリング間隔(秒) |
E |
reach |
到達可能性 |
F |
delay |
NTPサーバとの往復の遅延値(ミリ秒) |
G |
offset |
オフセット値(ミリ秒) |
H |
disp |
ゆらぎ値(ミリ秒) |
show ntp statusコマンドでも、同期している
かどうか分かります。以下の状態ならOKです。
Clock is synchronizaed, 〜
show ntp statusコマンドでは自身のストラタム
値がすぐに分かります。例えば、以下の状態なら
自身がストラタムが 3 であると分かります。
Clock is synchronizaed, stratum 3, 〜
その後のrefernce is は参照先のNTPサーバの
IPアドレスです。 |
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時刻同期出来ていない場合「Clock is unsynchronized, stratum 16, no reference clock.」と表示されます。
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