◆ OSPF - ステータス確認方法
下図設定を前提に、この状態のOSPF関連のshowコマンドのステータス確認方法を紹介します。
◆ OSPF - show ip ospf neighbor
OSPFルータが認識しているネイバーリストは show ip ospf neighbor コマンドで確認できます。
項番 |
説明 |
@ |
ネイバールータのルータID。 |
A |
ネイバールータのインターフェースに設定されているOSPFプライオリティ値。
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B |
ネイバールータとのネイバー状態。LSDBを交換する関係なら「FULL」。DROTHER同士の接続なら「2Way」と表示。
また、ネイバールータが「DR」「BDR」「DROTHER」のいずれなのか表示。上図ではR2 (2.2.2.2) が「DR」である。
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C |
Deadタイマー。イーサネットLANの場合、デフォルトでHelloタイマー10秒、Deadタイマー40秒。Deadタイマーの
40秒以内にHelloパケットが到達しないとネイバーダウンとみなす。上図では残り31秒以内にHelloがこないとダウン。
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D |
ネイバールータのIPアドレス。 |
E |
このルータのインターフェース。上図ではFastEthernet1のセグメントにネイバー(2.2.2.2)が存在する事を意味する。 |
以下は、R2のshow ip ospf neighborです。
R1とR2のshow ip ospf neighbor のステータスからして、下図のようにDRとBDRが選出されている
ことが分かります。1つのセグメントで3台以上のOSPFルータがいないとDROTHERは選出されません。
実は、show ip ospf neighbor コマンドの後にネイバーのルータIDのアドレスを入力すれば、ネイバーの
状態を詳細に確認することができます。以下は、R1での show ip ospf neighbor 2.2.2.2 の表示結果です。
項番 |
説明 |
@ |
ネイバールータのルータIDとIPアドレス。 |
A |
ネイバールータを認識するうえで経由するインターフェースとエリア。
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B |
ネイバールータのインターフェースに設定されているOSPFプライオリティ値とネイバーとの状態。
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C |
ネイバールータ 2.2.2.2 が存在するセグメントのDRとBDRのIPアドレス。ポイントツーポイントなら 0.0.0.0 と表示。 |
D |
Deadタイマー。ネイバールータがダウンしたとみなすまでの残り時間。 |
E |
ネイバールータとネイバー関係確立後に経過した時間。 |
◆ OSPF - show ip ospf database
LSAを格納しているリンクステートデータベース(LSDB)の要約情報はsh ip ospf databaseで確認できます。
項番 |
説明 |
@ |
このルータのルータIDとプロセス番号。 |
A |
LSAタイプ1 (ルータLSA)の情報の見出し。 |
B |
LSAタイプ1 を生成したルータのルータID一覧。 |
C |
LSAタイプ1 を通知したルータのルータID一覧。 |
D |
LSAタイプ1 を受信してから経過時間。 |
E |
LSAのシーケンス番号。 |
F |
エラーチェックのためのチェックサム。 |
G |
リンク数。 |
H |
LSAタイプ2 ( ネットワークLSA)の情報の見出し。 |
I |
LSAタイプ2を生成したDRのIPアドレス一覧。 |
LSDBの詳細を確認するためには、LSAタイプ1の詳細はshow ip ospf database routerコマンドを使用し
LSAタイプ2の詳細は show ip ospf database network コマンドを使用します。
◆ OSPF - show ip route
OSPFのルーティングテーブルは他のルーティングプロトコル同様に show ip route により確認できます。
項番 |
説明 |
@ |
ルートの情報源。「O」であることからOSPFにより宛先ルートを得たことが分かる。 |
A |
宛先ネットワーク。 |
B |
アドミニストレーティブディスタンス。OSPFの場合はAD値が「110」。 |
C |
メトリック値。192.168.2.0/24まではコスト値「2」、192.168.3.0/24まではコスト値「3」であると分かる。 |
D |
ネクストホップアドレス。 |
E |
宛先ルートを受信してから経過時間。 |
F |
宛先ネットワークに転送するための出力インターフェース。 |
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