◆ OSPF - debug 確認方法
下図設定を前提に、この状態のOSPF関連のshowコマンドのステータス確認方法を紹介します。なお、
debugコマンドは負荷が高いため、構築時を除き実際の企業用ネットワークでは使用してはいけません。
◆ OSPF - debug ip ospf events
debug ip ospf eventsコマンドにより、OSPFルータのOSPFパケットの送信、受信の状態を確認できます。
例えばOSPFのネイバーが確立しない場合に、隣接ルータからOSPFパケットが受信しているのかどうかを
確認したり、隣接ルータへOSPFパケットを送信しているのかどうかを確認することができます。
※ debugコマンドを実行した後にはundebug all と入力してdebugの無効化を忘れないようにしましょう。
項番 |
説明 |
@ |
エリア 0 の 192.168.1.1 のOSPFルータから、FastEthernet 1 から Helloパケット (224.0.0.5)
を送信。 |
A |
エリア 0 の ルータ ID (2.2.2.2) のOSPFルータから、FastEthernet 1 で Helloパケット (224.0.0.5)
を受信。
|
◆ OSPF - debug ip ospf packet
debug ip ospf packet コマンドにより、OSPFルータのOSPFパケットの受信の詳細情報を確認できます。
@はOSPFバージョン2、Helloパケット、パケット長48、ネイバールータID2.2.2.2、エリア0、認証なしの
OSPFパケットをFastEthernet 1から受信していることを意味します。各フィールドの見方は以下の通りです。
debug ip ospf packet
フィールド |
説明 |
v |
OSPFのバージョン。2 がIPv4のOSPF。3 がIPv6のOSPF。 |
t |
OSPFのパケットタイプ。1 がHello、2 がDBD、3 がLSR、4 がLSU、5 がLSAck。 |
l |
OSPFのパケット長(バイト数)。 |
rid |
OSPFのルータID。 |
aid |
OSPFのエリアID。32ビットで表示。「 0.0.0.0 」 は 「 0 」 のこと。 |
chk |
OSPFのチェックサム。 |
aut |
OSPFの認証タイプ。0 が認証なし、1 がクリアテキスト、2 がMD5。 |
auk |
OSPFの認証キー。 |
keyed |
OSPF認証時のMD5のキーID。 |
◆ OSPF - debug ip ospf adj
debug ip ospf adj コマンドにより、隣接関係に関するOSPFパケットの送受信の詳細を確認できます。
ここでは冒頭の構成図のR1のFastEthernet 1をリンクアップした際のR1とR2のネイバー関係の確立を
R1にコンソール接続して確認します。
項番 |
説明 |
@ |
隣接ルータとHelloパケットを送受信しあって、2Way State へ移行。 |
A |
2Way状態の後、DRとBDRの選定が完了。 |
B |
Exstart Stateへ移行。 |
C |
マスターとスレーブの関係を構築。 |
D |
Exchange Stateへ移行し、LSUとLSRの送受信を行いLSDBの同期を行う。 |
E |
同期が完了して、Full Stateへ。 |
◆ OSPF - よくあるOSPFデバッグメッセージ
◇ ネイバー接続の際のエラーメッセージ
@ OSPF: Mismatched hello parameters from 192.168.0.1
⇒ ネイバー接続するOSPFルータ同士のHelloタイマーが一致していないことで表示されるメッセージ。
A OSPF-4-ERRRCV: Received invalid packet: mismatch area ID, from backbone area must be・・
⇒ ネイバー接続するOSPFルータ同士のエリアIDが一致していないことで表示されるメッセージ。
B OSPF: Rcv pkt from 192.168.0.1, GigabitEthernet0/0 : Mismatch Authentication type
⇒ 認証タイプ ( ip ospf authentication ) が一致していないことで表示されるメッセージ。
C OSPF: Rcv pkt from 192.168.0.1, Serial0 : Mismatch Authentication Key
⇒ 認証キー ( ip ospf authentication-key ) パスワードが一致していないことで表示されるメッセージ。
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