◆ OSPFネイバー関係( Neighbor )の確立 - 2Way State
ここでは、OSPFルータがネイバー関係を確立する流れを、リンクアップ時の最初から詳細に見てみましょう。
Step |
State |
説明 |
@ |
Down State |
停止状態。OSPFルータを起動した直後の状態。リンクアップするとHelloパケットの送信を開始。
Helloパケットはマルチキャストアドレス ( 224.0.0.5 ) 宛てに送信されて隣接ルータに到達する。
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A |
Init State |
初期状態。ネイバールータ(R1)から Helloパケットをはじめて受信した状態。このHelloパケット
を受信すると、R2ではネイバールータにR1を追加する。 |
B |
2Way State |
双方向状態。ネイバールータ(R1)の存在を認識したOSPFルータがHelloパケットを送信して、
そのHelloパケットをネイバールータ(R1)が受信した状態。R1ではネイバールータにR2を追加。
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OSPFルータには、識別のためにルータIDが割り当てられます。ルータIDは32ビットの値でIPアドレスと同様
4オクテットで区切り10進数で表記します。ルータIDは重複しないよう割り当てる必要があります。ルータID
の決定は以下の優先順位 @ → A → Bで決定します。上図では明示的に@を設定した事を前提としています。
@ router-id コマンドで設定した値
A ループバックインターフェースの中で最も大きいIPアドレス
B アクティブなインターフェースの中で最も大きいIPアドレス
◆ OSPFアジャセンシー関係( Adjacency )の確立 - Full State
OSPFルータは2Way State状態になりDR/BDRの選出が完了すると、アジャセンシー関係(Adjacency)に
至るルータ間では、LSAを交換してLSDBを同期するフローに移行します。そのフローを以下で解説します。
Step |
State |
説明 |
C |
Exstart State |
起動後状態。どちらのルータからLSAに関するデータの送信を開始するかを決定するプロセス。
ルータIDが大きいルータから送信を開始。送信開始側をマスター、もう一方をスレーブと呼ぶ。
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D |
Exchange State |
交換状態。マスターからDBD(LSDBに格納されるLSAリスト)パケットを送信し相手からも送信。
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E |
Loading State |
ロード状態。受信したDBDと自身のLSDBを比較し、不足分のLSAについてはLSRで情報を要求。
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F |
Full State |
完全状態。隣接ルータと完全にLSDBを同期できた状態。これにより同期プロセスが完了。
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LSUパケットは、ネイバーから要求されたLSAを送るために使用されるパケットですが、このLSUに含まれる
LSAには複数のタイプが存在します。LSAの種類によりフラッディングされる範囲や役割が異なります。この
LSAタイプには 1 〜 11 までありますがCiscoでサポートしているのは 1 〜 5 、7 となります。
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