◆ CEFとは
ルータが、パケットを着信インターフェースから発信インターフェースへ転送する機能をスイッチングと
言います。Ciscoでサポートしているスイッチング方式には以下があり、デフォルトでは、CEFが有効です。 プロセススイッチング ⇒ ファストスイッチング ⇒ CEFの順で技術開発が進んでいき改善されてきました。
スイッチング方式 |
転送処理 |
説明 |
プロセススイッチング |
低速 |
パケット単位でCPU処理して転送する方式 |
ファストスイッチング |
中速 |
パケットのフロー単位でCPU処理して転送を行う方式 |
CEF |
高速 |
全てのパケットをハードウェアで転送する方式 |
ファストスイッチングのフローとは「送信元から宛先へのデータの流れ」のことです。Ciscoルータでは
着信した最初のパケットのみCPUで処理して、同じフローの後続パケットは、ハードウェアで処理します。
◆ CEF(Cisco Express Forwarding)とは
CEFとは、全てのパケットをハードウェア処理してパケット転送を行うシスコ独自のスイッチング方式です。
スイッチング処理はコントロールプレーンとデータプレーンで実行されますが、CEFはデータプレーンでのみ
スイッチングを行うことで高速なパケット転送を実現しています。
プレーン |
説明 |
コントロールプレーン |
CPUを使用してデバイス全体の制御を実行する |
データプレーン |
ASICを使用したハードウェア処理によるスイッチングを実行する |
CEFでは、データプレーン上でFIBテーブルとAdjacencyテーブル(隣接テーブル)を使用します。
データプレーンで使用するテーブル |
説明 |
FIBテーブル |
ルーティングテーブルに該当する役割( ルーティングテーブルをもとに作成 ) |
Adjacencyテーブル |
ARPテーブルに該当する役割( ARPテーブルをもとに作成 ) |
CEFでは、コントロールプレーンのルーティングテーブルを基に、データプレンのFIBテーブルが作成して
コントロールプレーンのARPキャッシュを基に、データプレンのAdjacencyテーブルが作成されることから、
キャッシュ情報が必要なく、全パケットがハードウェアで処理されるのでCPU負荷も少なく高速処理します。
◆ CEFの有効化
Ciscoルータではデフォルトで以下の1行が設定されており、CEFが有効化されています。
FIBテーブルとAdjacencyテーブルは、それぞれ以下のコマンドでステータスを確認できます。
ハードウェア |
説明 |
FIBテーブル |
show ip cef |
Adjacencyテーブル |
show adjacency detail |
|