◆ デフォルトゲートウェイの冗長化
デフォルトゲートウェイの冗長化とは、ホスト ⇒ ルータ間の通信において通信経路を冗長化させることです。
クライアントPCは通常はデフォルトゲートウェイを1つしか指定できないので、下図の構成で、ホストAが
デフォルトゲートウェイを「172.16.1.1」と指定した場合、そのIPアドレスを持つR1に障害が発生した場合、
PC側でデフォルトゲートウェイを「172.16.1.2」と設定変更しなければ、通信が出来なくなってしまいます。
デフォルトゲートウェイを冗長化するためのプロトコルにはVRRPやHSRP等があります。このプロトコルを
使用することにより、物理的には2台あるルータを論理的(仮想的)に1台のルータに見せることができます。
下図でR1とR2でVRRPを実装させています。ホストAのデフォルトゲートウェイのIPアドレスは、R1やR2の
物理IPアドレスではなく仮想IPアドレス (VIP) を指定します。ホストAからパケットを受信した仮想ルータは
物理的にはMasterルータと呼ばれるActiveなルータ(下図ではR1)でパケット転送などの処理が行われます。
また、MasterルータのR1に障害が発生した場合
BackupルータのR2が、自動的にMasterルータに
切り替わり、パケット転送の処理を行います。
このように仮想ルータを構成する物理的なルータに
障害が発生した場合でもホストのデフォルトゲート
ウェイのIPアドレスは仮想IPを指定しているので、
アドレスの設定変更を手動で行う必要がなく、通信
を継続することができます。ただし障害が発生した
場合はBackupルータがMasterルータに切り替わる
まで数秒くらいの通信できない時間は発生します。
※ HSRPの場合、デフォルト値なら10秒くらい。
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※ 仮想IPアドレスに物理インターフェースのIPアドレス(上図では"172.16.1.1") の指定も可能です。
※ 冗長化プロトコルのHSRPはCisco独自のプロトコルですが、考え方自体は上図のVRRPと同じです。
複数のルータやL3スイッチをグループ化して、デフォルトゲートウェイを冗長化させるHSRP、VRRP、
GLBPなどのプロトコルは、総称として FHRP( First Hop Redundancy Protocol )と呼ばれています。
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