◆ Cisco URLフィルタリング
Ciscoルータを利用したURLフィルタリングは、CiscoルータとWebsense等の外部のURLフィルタリング
サーバとが連携して提供することができます。その連携した時のパケットフローは下図のようになります。
また、簡単なフィルタリングとなりますが、Ciscoルータだけを利用しURLフィルタリングを提供することも
可能です。ただし、URLフィルタリングを行う場合、専用のアプライアンスを導入することが推奨となります。
◆ Ciscoルータだけを利用したURLフィルタリング
Securityライセンスが有効化されたCiscoルータや、advipservicesライセンスが有効なCisco892などでは
CiscoルータだけでURLフィルタリングができます。しかし、CiscoルータでURL Filteringを行う場合には
そのCiscoルータのCPU使用率が高くなるという点、スループットが低下するという点には注意しましょう。
CiscoルータだけでURLフィルタリングするための本来の実装はないので、ip urlfilter exclusive-domain
コマンドを使用して、URLフィルタポリシーの対象にならないドメインを指定することにより、Ciscoルータ
だけでURLフィルタリングを行うようにします。それでは以下にURL Filteringの設定コマンドを紹介します。
◆ Cisco URL Filtering - 設定コマンド
ip inspect name CBAC tcp
ip inspect name CBAC udp
ip inspect name CBAC ftp
ip inspect name CBAC http urlfilter
ip urlfilter allow-mode on
ip urlfilter exclusive-domain deny www.yahoo.co.jp
interface GigabitEthernet 0/0
no ip address
duplex auto
speed auto
pppoe enable group global
pppoe-client dial-pool-number 1
interface GigabitEthernet 0/1
ip address 192.168.1.254 255.255.255.0
ip nat inside
ip inspect CBAC in
ip virtual-reassembly
ip tcp adjust-mss 1414
duplex auto
interface Dialer1
ip address negotiated
ip access-group 101 in
ip mtu 1454
ip nat outside
ip virtual-reassembly
encapsulation ppp
dialer pool 1
dialer-group 1
ppp authentication chap callin
ppp chap hostname test@example.com
ppp chap password test
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Dialer1
ip nat inside source list 1 interface Dialer1 overload
access-list 1 permit 192.168.1.0 0.0.0.255
access-list 101 deny ip any any
dialer-list 1 protocol ip permit
|
◇ ip inspect name CBAC http urlfilter
⇒ 「urlfilter」を指定した上でHTTPのインスペクションを有効化(httpフィルタリングでありhttpsは不可)
◇ ip urlfilter allow-mode on
⇒ 外部URLフィルタリングサーバ(Websense or Secure Computing)の停止時に接続を許可する設定。
◇ ip urlfilter exclusive-domain deny www.yahoo.co.jp
⇒ URLポリシーの対象にならない拒否ドメインの設定。
例外ドメインの設定コマンド |
説明 |
ip urlfilter exclusive-domain deny |
URLフィルターポリシーの対象にならない拒否ドメインを指定する。これを使用する。 |
ip urlfilter exclusive-domain permit |
URLフィルターポリシーの対象にならない許可ドメインを指定する。 |
◇ ip inspect CBAC in
⇒ LAN側の着信トラフィックにCBACを適用。
※ 必要最小限の設定は以上であり、必要に応じて ip urlfilter audit-trail などの設定やCache Sizeなどの設定を行います。
ip urlfilter exclusive-domain denyで定義したWebサイトにアクセスすると以下メッセージが表示されます。
FireFoxの場合は、以下ようなメッセージ画面が表示されます。
なお、「ip urlfilter exclusive-domain deny www.yahoo.co.jp」と指定した場合、weather.yahoo.co.jp や
transit.loco.yahoo.co.jp にはアクセスできてしまいます。そこで以下のように指定することで yahoo.co.jp の
名前のドメインの全サイトを対象とすることができます。⇒ ip urlfilter exclusive-domain deny .yahoo.co.jp
ip urlfilter exclusive-domain deny .yahoo.co.jp |
ip urlfilter exclusive-domain deny .yahoo.co.jp と設定すると、transit.map.yahoo.co.jp
も合致するので
アクセスするとブラウザ表示は以下となります。※ yahoo.co.jpの前に「 . 」を忘れないよう注意しましょう。
以下のように複数の拒否ドメインを設定することもできます。
ip urlfilter exclusive-domain deny .yahoo.co.jp
ip urlfilter exclusive-domain deny www.infraexpert.com
ip urlfilter exclusive-domain deny www.jal.co.jp
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以下のように設定すれば co.jp のWebサイト全てにアクセスできないようになります。※ http://が対象。
ip urlfilter exclusive-domain deny .co.jp |
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