◆ プロキシサーバとは
プロキシサーバとは、インターネット接続をできない(させない)内部ネットワークのクライアントPCの
代理としてインターネット接続を行うサーバのことです。プロキシサーバは、企業の内部ネットワークと
インターネットの境界に配置されます。プロキシサーバには色々な種類がありますが、一般的にプロキシ
サーバといえば、HTTPトラフィックを対象としたWebプロキシ(HTTPプロキシ)を指します。
トラフィックの場所 |
プロキシサーバの役割 |
クライアントPC ⇔ プロキシサーバ |
クライアントPCに対してWebサーバの働きをする |
プロキシサーバ ⇔ Webサーバ |
Webサーバに対してクライアントPCの働きをする |
上図の通り、クライアントPCはプロキシサーバとHTTPコネクションを確立させます。次にプロキシサーバと
WebサーバがHTTPコネクションを確立させます。ここでいうプロキシサーバはWebプロキシである事が前提。
WebサーバではクライアントPCのIPアドレスは隠蔽されプロキシサーバのIPアドレスが送信元として見えます。
◆ プロキシサーバ導入のメリット
1. キャッシング
プロキシサーバはキャッシュ機能を実装させています。以前にWebサーバから受信したWebページの情報を
プロキシサーバ自身のHDDなどに一時的にキャッシュすることができます。これによりクライアントPCから
HTTPリクエストをプロキシサーバに送信した時にそのキャッシュ情報があれば、キャッシュ情報をすばやく
送り返すのでWeb通信の高速化を実現させます。Webブラウザにもキャッシュ機能はありますが、プロキシ
の場合では規模が異なります。また、プロキシサーバの場合プロキシの全利用者のキャッシュを保持できます。
2. ユーザの認証
プロキシサーバにユーザ認証を実装すると、認証されたユーザだけがインターネット通信が可能になります。
3. ユーザの一元管理
内部から外部ネットワークに出ていくHTTPトラフィックを一元管理してユーザ通信を把握する事ができます。
4. URLフィルタリング
プロキシサーバでは、特定のURLをアクセス禁止に設定することができます。これにより、特定の不適切な
Webサイトの閲覧を禁止することができます。また、受信コンテンツのウィルスチェックをすることも可能。
5. 匿名性の確保
プロキシサーバを導入することで、WebサーバにはクライアントPCではなくプロキシサーバがアクセスする
ことになるので、WebサーバにはクライアントPCの固有情報( IPアドレス、OS、Webブラウザ )が漏れる
ことなくWebサーバを閲覧できます。※ ただし、使用しているプロキシサーバの固有情報は伝わります。
◆ プロキシサーバ - クライアント側のWebブラウザの設定
Webブラウザ側のプロキシサーバの設定には、以下の3つの方法があります。
1. WPAD(Web Proxy Auto-Discovery Protocol)を使用する方法
2. PACファイルを指定する方法
3. 手動設定:プロキシサーバのアドレスやポート番号などの情報を指定する方法
WPADを使用する場合は「設定を自動的に検出する(A)」にチェックボックスにチェックを入れるだけです。
PACファイルを指定する場合には「自動構成スクリプトを使用する(S)」のチェックボックスにチェックを
入れて、PACファイルが存在するURL情報を入力します。手動設定の場合は、プロキシサーバのアドレスや
ポート番号などの情報を直接指定します。
※ PACファイルの指定とWPADプロトコルの使用の違いの記事もご参考頂ければ幸いです。
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