◆ クライアント証明書とは
クライアント証明書は、接続元であるクライアントPCが本物であるかどうかを確認する証明書です。
一方、サーバ証明書は、接続先であるWebサーバが本物であるかどうか確認するための証明書です。
クライアント証明書はクライアント側にインストールして、サーバ証明書はサーバ側にインストール
します。この内容は、IEEE802.1XのEAP-TLS認証でも、SSL-VPNでの証明書認証でも適用できます。
◆ クライアント証明書の種類 - Microsoftにおいて
クライアント証明書といっても、正確にはコンピュータ証明書とユーザー証明書の大きく2種類があります。
802.1XのEAP-TLSでは、デバイス認証という点でコンピュータ証明書をクライアントPCにインストールし、
SSL-VPNの証明書認証を行う場合にはユーザ―証明書をクライアントPCにインストールします。※1、※2。
◆ クライアント証明書の利用例
クライアント証明書 |
一般的な使用例 |
コンピュータ証明書 |
802.1XのEAP-TLS認証 |
ユーザー証明書 |
SSL-VPNの証明書認証 |
※1 Cisco ASAをSSL-VPNサーバにして、Cisco AnyConnectをインストールしたPCがSSL-VPNを行う際に社内のWindows
CAが
証明書を発行した証明書認証の場合、コンピュータ証明書であってもユーザー証明書であっても認証は成功します。Cisco ASAは
クライアント証明書が"署名されたものであるか"と"失効していないかどうか"の2つをだけ見て認証における正当性を見ているから。
※2 EAP-TLS認証では、コンピュータ証明書ではなくユーザー証明書を使用することも可能。IEEEで定義しているEAP-TLSでは
クライアント証明書を使用することを定義しており、コンピュータ証明書やユーザー証明書のどちらか指定している訳ではないです。
以下で紹介する内容はWindows OSに適用できる内容となります。クライアント証明書を確認するこの手順は
Windows 7 でのキャプチャー結果です。以下の手順により自身のクライアントPCにインストールされている
コンピュータ証明書とユーザー証明書を確認できるので、個人PCや会社PCで確認してみましょう。
※ インストールされている証明書は削除しないよう注意して下さい。あくまでも確認するだけにしましょう。
◆ クライアント証明書の確認方法
ユーザー証明書とコンピュータ証明書は以下の手順で確認できる。先ずコマンドプロンプトでmmcと入力。
表示される以下の画面から、「ファイル」→「スナップインの追加と削除」を選択します。
利用できるスナップインの一番下の「証明書」を選択して、「追加」を選択します。
自身のクライアントPCにあるユーザー証明書を確認したい場合、以下の通り「ユーザーアカウント」を選択。
次に、コンピュータ証明書も確認したいので、同じ手順で以下の画面まで行き「コンピューターアカウント」
を選択します。そして、次の画面で「ローカルコンピューター(L): ・・」を選択して、「完了」とします。
そうすると、ユーザー証明書とコンピュータ証明書が確認できる状態になるので、「OK」を選択します。
そうすると、以下の画面が表示されます。各証明書は赤枠と青枠部分で確認することができます。
赤枠部分で確認できる証明書はユーザー証明書。青枠部分で確認できる証明書はコンピュータ証明書。
SSL-VPNで証明書認証を行っている場合、ユーザー証明書またはコンピューター証明書がインストール
されていることをここで確認できます。802.1XのEAP-TLS認証を行っている場合、コンピュータ証明書
がインストールされていることを確認できると思います。クライアント証明書の基本的な説明は以上です。
※ この証明書確認の画面を閉じる際の「 コンソール1に保存しますか 」では「 いいえ(N)」を選択。
◆ 参考 : CAのルート証明書の確認方法と配布方法
一方、CA証明書については「信頼されたルート証明機関」→「証明書」のところで確認することができます。
例えば、 IEEE802.1X認証での事前のセットアップ(ローカルアクセス)でWindowsドメインに参加できる
クライアントPCは、CAのルート証明書とコンピュータ証明書をドメイン参加時に自動的に取得することも可。
※ Windows Server Active Directoryのセキュリティポリシーで証明書配布にチェックしていることが前提。
※ Windows Server から配布されるコンピュータ証明書は、ホスト名+ドメイン名のFQDN値となっている。
※ 信頼されたルート証明機関の「証明書」には、デフォルトで同じルートCAの証明書がインストールされています。
ということで、IEEE802.1XのEAP-TLSでは、CAのルート証明書やコンピュータ証明書をクライアント側で
インストールすることは意識したことがないと思います。同じように、SSL-VPNで証明書認証を行う際には、
社内ネットワークでWindows AD 証明書サービスが有効ならば、そのドメインに参加可能なクライアントは
ルートのCA証明書は自動取得が可能なので、あとは、ユーザー証明書をインポートすれば良いだけとなります。
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