◆ MSTPの設定 - インスタンスとVLANマッピング・リージョン・リビジョン
STPやRSTPを設定する場合は、最初に spanning-tree mode コマンドによってモードを定義しますが、
MSTPの場合、シスコのマニュアルではモードの定義前に以下3つの設定を行うことを手順としています。
@ VLANとMSTインスタンスのマッピング
A リージョン名の設定
B リビジョン番号の指定
そして、これらの3つを定義するためには、MSTコンフィグレーションモードを開始する必要があります。
◆ MSTコンフィグレーションモードへ移行
(config)# spanning-tree mst configuration
MSTコンフィグレーションモードの移行後に上記の3項目を以下のコマンドで設定していきます。これらを
全てのスイッチで同じ設定にすることで、同一設定のスイッチは同じMSTリージョンに所属できます。同じ
MSTリージョンに所属できることで、それらのスイッチでは、MSTPを同一のポリシーで動作させられます。
◆ @ VLANとMSTインスタンスのマッピング
(config-mst)# instance instance-id vlan vlan-range
コマンド引数 |
説明 |
instance-id |
instance-id に指定できる範囲は 0 〜 4094。instance 0 は ISTインスタンスとなるので、
新規作成の場合は instance 1 〜 4094 の範囲で MSTインスタンスを指定する。
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vlan-range |
インスタンスにマッピングするVLANの範囲を指定。設定例は、VLAN 10〜20 を
MSTインスタンスである例えば インスタンス1 にVLANマッピングしている例。
(config)# instance 1 vlan 10-20
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◆ A リージョンの設定
(config-mst)# name name
コマンド引数 |
説明 |
name |
リージョン名を32文字以内で指定する。大文字と小文字は区別される。
(config)# name regionA
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◆ B リビジョン番号の設定
(config-mst)# revision version
コマンド引数 |
説明 |
version |
リビジョン番号を 0 〜 65535 の範囲で指定する。
(config)# revision 1
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MSTの設定後、show pending を入力して設定内容が意図したものであるかどうかを確認します。
設定完了後に運用状態に入り、その後に設定変更する場合は変更管理のためにすべてのスイッチで
リビジョン番号を例えば 2 に変更します。あるいは、VTPv3を使用して同期させることも可能です。
◆ MSTPの設定例( 最小限の設定 )
Catalyst(config) # spanning-tree mst configuration
Catalyst(config-mst) # instance 1 vlan 11-20
Catalyst(config-mst) # instance 2 vlan 21-30
Catalyst(config-mst) # name regionA
Catalyst(config-mst) # revision 1
Catalyst(config-mst) # show pending
Pending MST configuration
Name [regionA]
Instance Vlans Mapped
-------- ---------------------
0 1-10, 31-4094
1 11-20
2 21-30
-------- ---------------------
Catalyst(config-mst) # exit
Catalyst(config) #
Catalyst(config) # spanning-tree mode mst
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spanning-tree mode mst コマンドによってMSTPがイネーブルになり、RSTPもイネーブルになります。
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