◆ RSTP - プロポーザルとアグリーメント
RSTPでは、STPのように「リスニング⇒ラーニング⇒フォワーディング」ステートではなくプロポーザルと
アグリーメントによるHandshakeを導入したことで高速に動作します。そのHandshakeの動作を見てみます。
先ず、スイッチ間の接続が行われると各スイッチは「自身がルートブリッジでありポートが指定ポートである」
というProposal BPDUを送信します。BPDUにはブリッジプライオリティやルートパスコスト情報があります。
受信したProposal BPDUの中身からブリッジプライオリティやルートパスコストの情報を比較して、相手が
選出順として強い場合、相手のポートを指定ポート(DP)と認めて、自身のポートをルートポート(RP)として
転送状態にし、その他のポートは一時的にディスカーディング状態にしてAgreement BPDUを送信します。
一方で、自身が選出順として強い場合、相手からのAgreement BPDUを受信するとすぐに転送を開始します。
◆ RSTP - 障害発生時の動作
RSTPでは、代替ポート(AP) の持つスイッチのルートポートで障害を検知した場合は、STPのように
リスニング ⇒ ラーニング ⇒ フォワーディングのような変化をせずに、すぐに転送状態へ切り替えます。
RSTPでは、トポロジー変化の発生源であるスイッチがTCビットのセットされたBPDUをネットワーク全体に
フラッディングします。その後、Handshake(Proposal & Agreement)により高速収束します。このように
STPのようにルートブリッジへBDPUが到達するまで待機したり、収束するまで50秒も待つ必要がありません。
◆ RSTP - リンクタイプ
RSTPではスイッチ間接続のリンクをポイントツーポイントリンクとシェアードリンクの2つに分類しています。
RSTPでの高速収束を実現するためのスイッチ間の接続はポイントツーポイントリンクにする必要があります。
RSTPのリンクタイプ |
説明 |
ポイントツーポイント
リンク |
全二重で動作するポート。スイッチ間が1対1で直接接続される、高速収束可能なリンク。
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シェアードリンク |
半二重で動作するポート。スイッチ間接続にリピータハブ等がある可能性があり、1つのセグメントに
複数のスイッチが存在するような接続。収束は、従来のSTPタイマーに依存するリンク。 |
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