◆ syslogとは
syslogはIPネットワーク上でログメッセージを転送する標準規格でありクライアント/サーバ型プロトコル。
syslog送信側(Ciscoルータなど)はsyslog受信側(Linuxサーバなど)にログ情報をテキストメッセージで
送信します。syslogメッセージはUDPまたはTCPポート番号の514を使用してsyslogサーバに送信されます。
CiscoルータやCatalystスイッチなどの「デバイス上の動作状況の記録」をログと言いますが、このログを
取得することで、そのデバイスで何が起きているのかを把握できます。Cisco機器などのネットワーク機器は
syslogプロトコルにより、Ciscoデバイスで発生する各種イベントをログとしてsyslogサーバに送信できます。
◆ syslog - FacilityとSeverity
syslogにおけるシステムログには「Facility」と「Severity」という考え方があります。
Facilityとは、正確に言えば「ログの種別」のことであり、分かりやすくいえばメッセージの「出力元」
のことです。ファシリティには以下の種類があり、ファシリティを使用することでメッセージの出力元に
応じてログの出力先を制御できます。Linuxでは「 * 」を使用することで全ファシリティを選択できます。
【 syslogのFacility 】
Facility |
説明 |
auth、authpriv |
認証サービス ( login、su など) |
cron |
cron |
daemon |
各種デーモン |
kern |
カーネル |
lpr |
印刷システム |
mail |
メールシステム |
news |
ニュースサービス |
syslog |
syslog機能 |
user |
ユーザープログラム |
local0 〜 local7 |
独自の設定 |
Severityとは、メッセージの優先度を表します。Severityはemergが最も高く、debugが最も低い
ことを意味します。指定したSeverityよりもレベルが高いものが全て記憶されるので、例えばcritを
指定した場合、crit、alert、emergレベルのログが記録されます。特定のSeverityを指定したい場合、
Severityの前に = をつけます。noneは例外指定したファシリティのログを除外する役割を持ちます。
【 syslogのSeverity 】
Severity |
説明 |
emerg |
非常に危険な状態 |
alert |
危険な状態 |
crit |
危険な状態 |
err |
一般的なエラー |
warning |
システムからの警告 |
notice |
システムからの重要な通知 |
info |
システムからの情報 |
debug |
デバッグ情報 |
none |
ファシリティ無効(メッセージを送らない) |
上述の標準仕様に従いシスコデバイスではSYSLOGのプライオリティを以下のように定義しています。
Level キーワード |
レベル |
説明 |
UNIX Syslog定義 |
emergencies |
0 |
システムが不安定 |
LOG_EMERG |
alerts |
1 |
即時処理が必要 |
LOG_ALERT |
critical |
2 |
クリティカルな状態 |
LOG_CRIT |
errors |
3 |
エラー状態 |
LOG_ERR |
warnings |
4 |
警告状態 |
LOG_WARNING |
notifications |
5 |
正常だが注意を要する状態 |
LOG_NOTICE |
informational |
6 |
情報メッセージ |
LOG_INFO |
debugging |
7 |
デバッグメッセージ |
LOG_DEBUG |
|