TCP Window Control / Flow Control



 ◆ TCP - 通信効率の向上 ( ウィンドウ制御 )

 TCPでは、ACKの応答確認により信頼確保されていますが、パケット送信の度にACKを送信していては
 さすがに通信速度が遅くなってしまいます。そこでTCPヘッダにある
ウィンドウサイズを利用することで
 この問題を解決しています。ウィンドウサイズとはACKを待たずに一度に送信できるデータ量のことです。

 例えば3900バイトのデータを3回に分けて送信する時、1300バイトのデータを送るたびにACKを待って
 いると通信速度は遅いですが、ウィンドウサイズが「3900」であることを相手側のホストに伝えた場合、
 送信側はACKを待つことなく3900バイトのデータを送信することができるので、通信速度が速まります。


  



 しかし、これではウィンドウサイズ分のデータを送信した後、ACKを受信するまでの間の待ち時間が発生
 してしまいます。ウィンドウ制御では、この待ち時間を解消するために
スライディングウィンドウと呼ば
 れる技術を使用しています。スライディングウィンドウでは、受信側(ホストB)はデータを受信する度に
 ACKを送ります。最初のACKを受信したらその分のウィンドウをスライドさせるので送信側(ホストA)は
 そのACKを待つことなくウィンドウサイズ分(3900バイト)のデータを下図の図解通り送り続けられます。


  


 ◆ TCP - 通信効率の向上 ( フロー制御 )

 ウィンドウサイズの値は、3ウェイハンドシェイクの際にお互いに伝えられます。送信側ホストは受信側の
 ウィンドウサイズが分かれば、そのサイズになるまでACKを待つことなく送信することができます。そして
 スライディングウィンドウにより実際には連続的にデータを送り続けられます。これがウィンドウ制御です。

 しかし、多数の送信側ホストが同時にデータを送信して負荷が高まると、受信側はデータを処理しきれない
 場合が発生します。このような場合、受信側は
ウィンドウサイズを小さくしその値を送り直します。そして
 受信可能な状態になれば
ウィンドウサイズを大きくして通知します。この処理の事をフロー制御と言います。


 




TCP - 順序制御、再送制御 UDPとは

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