◆ DHCPとは
DHCP ( Dynamic Host Configuration Protocol ) は、ネットワーク接続するのに必要なIPアドレスなどの
情報を自動的に割り当てるアプリケーション層プロトコルです。DHCPを使用すれば、IPアドレスに関する
知識がないユーザでも、パソコンをケーブルに接続するだけで簡単にネットワーク接続することができます。
◆ DHCPの構成要素
DHCPの環境はDHCPサーバとDHCPクライアントから構成されます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
構成要素 |
役割 |
使用される機器 |
DHCPサーバ |
IPアドレスの設定情報などを
DHCPクライアントに割り当てる |
Windowsサーバ、Linuxサーバ、Ciscoルータなど |
DHCPクライアント |
IPアドレスの設定情報などを
DHCPサーバから割り当てられる |
Windows OSなどのパソコン、IP電話など |
◆ DHCPのパケット
DHCPプロトコルはUDP上で動作するプロトコルです。DHCPサーバ宛にパケットを送る場合のポート番号は
「67」を使用し、DHCPクライアント宛にパケットを送る場合はポート番号に「68」を使用します。下図の
DHCPメッセージ部分に、例えばDHCPサーバがDHCPクライアントに割り当てるIPアドレス情報があります。
◆ DHCPの仕組み
最初はDHCPクライアントは自身のIPアドレスも知らなければ、DHCPサーバのIPアドレスも知らないので
全ての宛先(ブロードキャスト)にDHCP Discoverメッセージを送信して、ネットワーク全体に問い合わせ。
次に、DHCPサーバはクライアントに割り当てるIPアドレス設定などをアドレスプールから選択して提案。
DHCPサーバの仕様によりDHCP Offerはブロードキャストで送信するので、その場合は宛先MACとIPは
ブロードキャストアドレスになります。今回の解説では、ユニキャストを送信することが前提の内容です。
次に、DHCPクライアントは提案されたIPを使用する事を通知するためにDHCP Requestをブロードキャスト。
最後に、DHCPサーバはDHCPクライアントが使用するIPアドレスなどの設定情報をDHCP Ackで送信します。
これで、DHCPクライアントは自身のIPアドレスを「192.168.0.1/24」として稼動できるようになります。
◆ DHCPサーバ
DHCPサーバにはWindowsサーバ、Linuxサーバ、Ciscoルータ等がなることができます。当然、設定方法は
異なりますが設定項目自体は共通です。DHCPサーバには色々な設定項目がありますが、DHCPクライアント
にIPアドレスを割り当てる範囲のアドレスプール、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイのアドレス、
DNSサーバのIPアドレス、リース期間( IPアドレスの貸し出し期間 )などが、基本的な設定項目となります。
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