◆ GARPとは
GARP(Gratuitous ARP)はARPパケットの1つであり、以下の2つの役割を持っているプロトコルです。
@ 自分自身に設定するIPアドレスが重複していないかどうかを検出
A 同一セグメントのネットワーク機器上のARPキャッシュを更新させる
GARPとは、自分自身に設定するIPアドレスに対するARPのことです。通常のARPでは宛先のIPアドレスに
対して宛先のMACアドレスを得ようとしますが、GARPでは自身のIPアドレスに対して自身のMACアドレス
を得ようとします。自身のMACアドレスは知っているはずなのに、なぜ、自身のIPアドレスに対してARPを
行うのかは、上記の2つの役割を実現するためです。では、その2つの役割を以降で詳細に解説していきます。
◆ GARPの役割 - その1
GARPにより、自分自身にIPアドレスがアサインされる際に他のホストが同じIPアドレスを使用していないか
どうかを確認することができます。以下の@〜Bの流れとなります。Windows Server 2012 や Windows 8
以降では、デフォルトの動作でアドレス重複確認のためのARPとGARPを送信します。
Windows Server 2008R2、Windows 7では修正プログラム(KB2811463)を適用することでアドレス
重複確認のためのARPに加えて、SPAに自身のIPアドレスをセットしたGARPも送信するようになります。
◆ GARPの役割 - その2
GARPには、アドレス重複の検出の役割だけでなくもう1つの役割があります。GARPは、同じセグメントの
ネットワーク機器上のARPキャッシュを更新することによって、VRRPやHSRPなどで切り替わりが発生した
機器とすぐに通信できるようにするためにも使用されます。
◆ ARP、RARP、GARPの違い
ARP / RARP/ GARP |
説明 |
ARP |
・ 相手のIPアドレスからMACアドレスを得るためのプロトコル |
RARP |
・ MACアドレスから自身のIPアドレスを得るためのプロトコル |
GARP |
・ 自身のIPアドレスが重複していないかどうかを検出するプロトコル
・ 同一セグメントのネットワーク機器上のARPキャッシュを更新させるプロトコル |
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