◆ pingのオプション
pingコマンドは「ping + 宛先IPアドレス」に実行可能なコマンドですが、この後にオプションの値を
追加することができます。以下の通り「 ping 」とだけ入力すれば、オプションの情報が出力されます。
例えば、ネットワーク通信試験を実施する際にpingを打ち続けたいとします。その場合は「 -t 」の
オプション値を入力すれば実現できます。この ping 実行を停止したい場合「Ctrl + C」を押せばOK。
例えば、pingのデータ部のサイズをデフォルトの32byteではなく1500byteで送信したい場合は以下。
よく使用されるpingオプションは上記の2つと「-f」です。pingオプションの全ての説明は以下の通りです。
オプション |
値 |
オプションの説明 |
-t |
なし |
中断されるまで指定したホストに対してpingを実行し続ける。中断するためには「Ctrl+C」を押す。 |
-a |
なし |
pingの宛先に指定したIPアドレスである場合、DNSから逆引きしてホスト名を表示。 |
-n |
数 |
送信するICMPエコー要求の数。デフォルトの数は 「4」 回。 |
-l |
サイズ |
ICMPパケットのデータ部のサイズ。デフォルトのサイズは「32」バイト。 |
-f |
なし |
IPパケットの分割(フラグメント)を禁止する。デフォルトはフラグメントを許可。 |
-i |
TTL |
IPパケットのTTLを指定した値に変更する。デフォルトのTTLは「128」。 |
-v |
TOS |
IPパケットのTOSを指定した値に変更。 |
-r |
なし |
IPパケットのオプション部に経由したルータのアドレスを記録。 |
-s |
なし |
IPパケットのオプション部に経由したルータのアドレスと時間を記録。 |
-j |
host-list |
経由すべきルータのアドレスを最大9個まで指定できる。指定されていないルータも経由できる。 |
-k |
host-list |
経由すべきルータのアドレスを最大9個まで指定できる。指定されていないルータは経由しない。 |
-w |
ミリ秒 |
pingのタイムアウトの時間を指定する。デフォルトは「4000」ミリ秒。つまり4秒。 |
※ Cisco IOSで実行するpingのタイムアウトのデフォルト値は2秒です。詳細はCisco IOS - ping / trace / debug をご参照下さい。
◆ pingの1回目が "Request timed out." となる理由
以下のping結果は172.16.0.1のPCから192.168.0.1のPCに対してpingを実行した結果です。1回目の
ICMPエコー要求が失敗していますが、その後は全てのエコー応答が得られています。このような現象は
異なるネットワーク間でPINGを行う際に、ホストでルータのARP情報が得られていない時に発生します。
異なるネットワークと通信する場合、ホストはルータのMACアドレス情報が必要となるのでルータに対し
ARPを実行します。MACアドレス情報が得られれば、デフォルトゲートウェイへパケットを送出しはじめ
ますが、このARPを行っている間にPINGが失敗してしまう訳です。当然異なるネットワーク間の通信でも
一度ルータのARP情報を得て、ARPテーブルにキャッシュされている限りはこのような現象は発生しません。
◆ ping の宛先アドレスにドメイン名を指定
pingコマンドでは、例えば "ping 192.168.0.254" のように宛先IPアドレスを実行してpingを行う方法と
例えば "ping www.yahoo.co.jp" のように宛先IPアドレスではなく、ドメイン名を指定して ping
を実行
できます。前提として、パソコン側で正しくDNSサーバのアドレスを指定していることが必要となります。
DNSサーバで名前解決( www.yahoo.co.jp等のホスト名からIPアドレスを導くこと )が行われています。
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