◆ CISCO製品のライフサイクルのポリシー
Cisco Systemsのハードウェア製品とソフトウェア製品には、他のメーカー同様に「販売終了日」があり、
「サポート終了日」があります。EoS、EoE、EoLという用語は、ネットワークエンジニアとしては常識の
用語であるのですが、その用語やCisco製品のライフサイクルポリシーを正確に理解できていない方もいる
ようですのでここでは重要な部分だけをピックアップして、情報を整理して解説していきたいと思います。
◆ CISCO製品のライフサイクルの終了ポリシー(その1)
先ずCiscoのハードウェア製品の解説です。Ciscoはある機種のシスコ製品の販売終了(EoS)の日が決ま
ると販売パートナーに、販売終了日の6ヶ月前に例えば「 CISCO 1812Jは6ヵ月後に販売終了します」と
通知します。そして、販売終了日から5年間はそのハードウェアの修理、交換、CISCO TACでのサポート
が受けられますが、販売終了日から5年後にCISCOのサポートが受けられなくなってしまいます。(EoL)。
CISCO製品 ( ハードウェア ) のライフサイクルポリシーにおける用語説明 |
EoS ( End of Sale ) |
製品販売の終了。End of Saleの日になると、原則EoSの該当製品はベンダーとして販売できなくなる。 |
EoL ( End of Life ) |
製品サポートの終了。EoL対象となった製品はCiscoからのTACサポートなどが一切受けられなくなる。 |
Ciscoのハードウェア製品におけるライフサイクルポリシーについて、理解しておくべき重要なポイントは
以上です。EoEという用語はハードウェア製品に関係のない用語です。次のソフトウェア製品におけるライフ
サイクルポリシーで解説します。その他の用語説明はこちらをご参考。6ヵ月前のEoS通知情報やEoL情報は
こちらで確認できます。また、ライフサイクルポリシーをさらに詳しくしりたい方はこちらで確認できます。
※ リンク先のURLを読まなくても、本ページに書かれていることを理解できれば「EoS、EoE、EoL」の違いを正しく理解できます。
一般的な用語としてEoSL (End Of Service Life) という用語があります。EoSLとは過去に販売した製品
のサポートが終了すること、またはその期限のことを意味します。つまり、CiscoではこのEoSLのことを
EoLという用語を使用しています。従って、Cisco製品のEoLが近づいてくると、ベンダーからユーザには
「EoLが近づいてきてますよ」という案内ではなく「EoSLが近づいてきてますよ」と案内するのが一般的。
◆ CISCO製品のライフサイクルの終了ポリシー(その2)
次にCiscoのソフトウェア製品の解説。今回はIOSにフォーカスを当てます。CiscoはあるIOSソフトウェア
リリースの販売終了(EoS)の日が決定すると、販売パートナーに対し販売終了日となる6ヶ月前に、例えば
「 IOSソフトウェアリリース 12.3xを販売終了します」と通知します。そして、販売終了日から1年間は
ソフトウェアの修正(バグフィックス)や新機能の追加などの技術サポートを行います。そして1年後には
この技術サポートの終了(EoE)となります。そして、技術サポートの終了日から4年間については、新機能は
追加されることはないが、ソフトウェアの修正などの対応は行います。そして、販売終了日から5年後は原則
CISCOによるサポートが受けられなくなる(EoL)が、アップグレードを推奨する目的でのみCiscoはサポート。
CISCO製品 ( IOSソフトウェア ) のライフサイクルポリシーにおける用語説明 |
EoS ( End of Sale ) |
販売の終了。EoSになるとCiscoにリリースを注文できなくなる。ただしメンテナンスリリースに
ついては、CiscoのWebサイト上のソフトウェアセンターからダウンロードすることが可能です。
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EoE ( End of Engineering ) |
技術サポートの終了。EoEになると、そのリリースに対してソフトウェアの修正や新機能を
提供しなくなります。ただし、そのリリースのサポートは引継ぎCisco TACにより行われます。
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EoL ( End of Life ) |
サポートの終了。EoLになると、Cisco TACによるそのリリースのサポートが終了します。しかし
アップグレードを推奨する目的においてのみCisco TACでそのリリースのサポートを受け付ける。
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※ リリース = Cisco IOS ソフトウェアリリース
ソフトウェアのEoSやEoLは、ハードウェアのEoSやEoLに比べた場合、インパクトのある問題ではありません。
なぜなら、ハードウェアの物理的に交換する必要がありコストが大きく変わることに対し、ソフトウェアの場合
機器にあるDRAMやFLASHのサイズに問題なければ、IOSのバージョンアップを行えば良いだけだからです。
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