◆ 音声VLAN ( Voice VLAN ) とは
Cisco IP Phone は、Catalystスイッチに接続できるポート、PCが接続できるポートの2ポートを持ちます。
これによってCatalystのポートを2ポート消費することなく、1ポートだけでPCとIP Phoneを接続できます。
しかしPCとIP Phoneを同一セグメント(同じVLAN)にすると、データトラフィックと音声トラフィックが
混在してしまい音質に悪影響を与える可能性があります。そこで、音声VLAN(Voice VLAN)を使用します。
音声VLANは、Cisco IOSの独自機能であり、Cisco IP PhoneとPCを異なるVLANに配置できる機能です。
音声VLANを利用することで、Catalystスイッチの1つのアクセスポートにPCのデータトラフィック用の
VLANとIP Phoneの音声用のVLANの2つを混在させられます。つまり、本来はトランクポートでなければ
出来ないことをアクセスポートで2つのVLANの混在を実現できます。リンク自体はトランクリンクです。
PC ⇔ IP Phone間はアクセスリンクですが、IP Phone ⇔ Catalystスイッチ間はトランクリンクとなり
音声VLANと識別できるように802.1qタグが付けられています。PCトラフィックはNative VLANで伝送。
トラフィック |
使用するVLAN |
データトラフィック |
Native VLANを使用して伝送 |
ボイストラフィック |
Voice VLANを使用して伝送 |
◆ 音声VLAN(Voice VLAN)の設定方法
音声VLANを設定する機器はCatalystスイッチだけであり、Cisco IP Phone側に設定する必要はありません。
音声VLANが設定されたCatalystにCisco IP Phoneを接続すると、音声VLAN IDが含まれたCDPフレームを
受信します。結果、Cisco IP Phoneは音声VLAN ID を解釈して、音声VLAN向けの音声トラフィックに対し
IEEE802.1q タグを着けて送信を開始します。つまり、Catalyst側で音声VLANの設定とCDPを有効にします。
◆ 音声VLAN(Voice VLAN)- コンフィグ設定
データ用のVLANの作成、音声用のVLANの作成後、以下の設定手順で音声VLAN用のポート設定をします。
@ アクセスポートの設定 A ポートへのデータVLANの割り当て B ポートへの音声VLANの割り当てです。
◆ アクセスポートの設定
(config-if)# switchport mode access
◆ アクセスポートへVLAN IDを割り当てる設定
(config-if)# switchport access vlan vlan-id
コマンド引数 |
説明 |
vlan-id |
VLAN IDを 1〜4094 の範囲で指定。
(config-if)# switchport access vlan 10 ← VLAN 10をスイッチポートに割り当て
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◆ アクセスポートへ音声VLANのVLAN IDを割り当てる設定
(config-if)# switchport voice vlan vlan-id
コマンド引数 |
説明 |
vlan-id |
VLAN IDを 1〜4094 の範囲で指定。
(config-if)# switchport voice vlan 15 ← VLAN 15をスイッチポートに割り当て
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※ 音声VLANは「Voice VLAN」という呼び方以外に「補助VLAN」や「AUX VLAN」とも呼ばれています。
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