◆ PPPoEとは
PPPoE(PPP over Ethernet)は、その名の通りPPPの機能をEthernet上で利用するためのプロトコル。
PPPはシリアルのWAN回線やISDN接続の際によく使用されるプロトコルですが、これをLANにおいても
利用できるようにしたのがPPPoEです。PPPoEはLAN上においてもユーザ認証が可能であり、IPアドレス
の割当も可能なので、常時接続のADSLサービスやFTTHサービスで広く使用されているプロトコルです。
◆ EthernetフレームとPPPoEフレームの違い
理論上のPPPoEフレームフォーマットを見ると
PPPoEを採用しているFTTHサービスのBフレッツ
でのインターネットではMTUを1492byteとして
設定MSSを1452byteと設定すべき、と思われる
かもしれませんが、Bフレッツ接続では、MTUは
1454byte、MSS1414byteとする必要があります。
この値で設定しないと、Webサーバによって通信
できないケースもあるので必ず順守しましょう。
理由はフレッツ光のMTUサイズはなぜ1454byte ?
を参照頂ければと思います。ちなみにキャリアに
よりサイズが異なるので、事前に確認しましょう。
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◆ IP通信確立までの2つのステップ
PPPoE接続を行ってIP通信ができるようになるまでには、DiscoveryステージとPPPセッションステージの
2つのステップを踏む必要があります。最初にPPPoEセッションをはるまでをDiscoveryステージと言います。
その後のPPPによるやりとりをPPPセッションステージと言います。後に解説しますが、PPPoEクライアント
は、加入者宅にあるPPPoEが有効な機器(ルータ、PC)、PPPoEサーバは一般的にキャリア側にある機器です。
◆ PPPoE Step 1 : Discoveryステージ
Discoveryステージでは、PPPoEセッションを確立するPPPoEクライアントとPPPoEサーバのMACアドレスを
特定し、PPPoEセッションIDの割り当てを行います。それではDiscoveryステージの詳細を見ていきましょう。
※ 例えばCiscoルータの場合、このDiscoveryステージの結果をshow pppoe session allコマンドで確認することができます。
◆ PPPoE Step 2 : PPPセッションステージ
DiscoveryステージのCでPPPoEサーバがPPPoEクライアントにセッションIDを通知すると次のステージの
PPPセッションステージに移行します。PPPセッションステージにより認証が成功して、PPPoEサーバから
適切なIPアドレスが割り当てられるとPPPoE接続は完了です。これにより、IP通信ができるようになります。
※ PPPoE接続が上手くいかない場合、一般的にはこのフェーズの問題であることが非常に多く、Aの部分で失敗しています。
認証方式 (CHAP or PAP) のミス、ユーザIDやパスワード誤入力など。Ciscoルータならdebug ppp authenticationで確認します。
◆ PPPoE - ISPの認証サーバへの振り分け
例えばBフレッツを契約すると、NTTからレンタルでONU (回線終端装置) が設置されることになります。
契約者がONUを変更することなくISPを乗り換えられるのは、以下の振り分けが実装されているからです。
とはいえ企業として実際に契約すれば分かると思いますが、例えばOCNの場合はONUのシールの記載に
あるフレッツ契約IDとISP番号がリンクしているので、それぞれのONUに該当するISP情報で接続します。
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