◆ WLC - バンドセレクト機能
2.4GHz帯と5GHz帯の両方の周波数で同時に通信を行える機能をデュアルバンド機能と言います。たとえば
アクセスポイントがデュアルバンド機能をサポートしていて、PCも2.4GHz帯(IEEE802.11b/g)と5GHz帯
(IEEE802.11a)のどちらでも使用できる場合、PCとAPはどちらの周波数帯を使用して通信するでしょうか。
それはPC側の無線LANカードの設定依存とはいえ、一般的に(仕様的に)2.4GHz帯(IEEE802.11b/g)を
使用してしまいます。2.4GHz帯は、コードレス電話、bluetooth、電子レンジ、一部の医療機器なども使用
している周波数帯なので電波干渉が起こしやすいです。一方、5GHz帯は、あまり使用されていない周波数で
あることから、2.4GHz帯より快適に通信できます。なんとか、5GHz帯を優先して使用する方法はないのか。
WLCのバンドセレクト機能によってこの問題を解消できます。バンドセレクト機能で2.4GHz帯にアクセス
してくる無線LAN端末に自動的に5GHz帯に接続するように誘導してくれます。WLC側の設定だけでOKで
無線LAN端末側は設定が不要ですが、当然、APとPCともに2.4GHzと5GHz帯が有効である必要があります。
このWLCの設定は、WLCでグローバルに有効にするか、特定のWLAN上(SSID)ごとにも有効にできます。
設定方法は簡単で、以下の通りにチェックするだけです。WLCへログイン後、画面トップのメニュー項目から
「WLANs」⇒ WLAN IDを選択 ⇒「Advanced」の項目に「Load Balancing and Band Select」という項目
があるので、そのなかの「Client Band Select」のチェックを選択して、有効にするだけとなります。
◆ WLC - ロードバランス機能
WLCでは、特定のAPに無線LAN端末の接続が集中しないように、アクセスポイント間で負荷分散することが
できます。Autonomous APの場合、このような負荷分散はできないのでSSIDごとの同時接続数の制限により
静的に負荷分散させるしかありません。集中管理型のAPの場合は、APの負荷が高いかどうか無線LAN端末が
アクセス可能な近隣のAPの比較した上で、WLCが相対的に判断して、動的に負荷分散されることになります。
このWLCの設定は、WLC上でグローバルに有効にするか、特定のWLAN上(SSID)ごとにも有効にできます。
この機能はデータ系トラフィックを転送するWLAN上(SSID上)では、有効にすべき機能だると言えますが、
ボイス系トラフィックを転送するWLAN上(SSID上)においては無効にすることをシスコは推奨しています。
注1 ロードバランスが有効なWLANではローミング遅延が発生するので、音声や映像等の遅延に敏感なアプリはサポートされない。
注2 Cisco 7921/7920 無線IP Phoneをコントローラとともに使用する場合、音声WLAN上でのアグレッシブ ロードバランシング
を無効にするように各コントローラが設定されていることを確認してください。このように設定されていない場合、電話機の1回目
のローミングに失敗することがあり、その場合はオーディオパスが中断されます。
設定方法は簡単で以下の通りにチェックするだけです。WLCへログイン後、画面トップのメニュー項目から
「WLANs」⇒ WLAN IDを選択 ⇒「Advanced」の項目に「Load Balancing and Band Select」の項目が
あるのでその中の「Client Load Balancing」のチェックを選択して有効にするだけとなります。
|