◆ NFCとは
NFC(Near Field Communication)は 10cm程度の至近距離でデータ通信する無線通信の標準規格の1つ。
NFCは非接触型ICカードのための無線通信技術である「FelicaやMifare」の方式をもとに策定されています。
NFC対応のICカードでは、アンテナが電波を受信する際の発生した電力により、通信とデータの書き換えが
可能であり電池や電源が不要です。従って非接触ICカードの方では電源なしでもかざすだけで通信できます。
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※ その他、NFCのICラベルが貼られたポスターなどにNFC搭載のスマートフォンをかざせば、クーポンなどの情報取得なども可能。
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NFCの周波数帯 |
NFCの通信速度 |
NFCの無線到達距離 |
策定元の技術 |
NFCの使用例 |
13.56MHz |
100〜400Kbps |
10cm程度 |
Felica、Mifare |
ICカード、携帯、スマートフォン |
◆ NFC - 誕生の経緯、過渡期の対策
NFCのイメージ図を見ると、Felicaで十分ではないかと思うかもしれませんが、ソニーが開発したFelicaでは
日本とアジアに普及しており、欧米で普及しているのはNXPセミコンダクターズが開発したMifareとなるが
FelicaとMifareは互換性がありません。そこで両者のインターフェースを統一するためにNFCが生まれました。
NFCの場合は、カードはFeliCaよりも安く仕入れられる上、システム維持コストも安くなる可能性が高くて、
コストの優位性もあり、今後はFelicaベースで作られてきた多くのシステムが段階的にNFCに移行する予定。
NFCがFelicaとMifareの両方式に上位互換があるので誤解されがちですが、NFCチップだけ搭載したスマート
フォンでは、Felicaベースのオサイフケータイの決済はできません。従って移行段階では2つのチップが必要。
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◆ NFCの特徴
NFCでは「かざす」というアクションだけで簡単にデータを送受信できることが最大の特徴です。NFCを
搭載したスマートフォンをNFCを搭載したプリンターにかざせば撮影した写真をプリントアウトできたり、
NFCを搭載したTVにかざせば、動画をテレビに映し出したりすることができます。
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◆ NFC - 端末間通信機能(P2P)
紹介した非接触型のICカードを利用した「カードエミュレーション機能やリーダーライター機能」以外に
端末間通信機能(P2P)があります。これはNFC搭載の機器同士をかざす事だけで、メール、電話帳、画像、
スケジュール、XMLデータなどをスムーズに認証とファイル交換できます。ただし大容量のデータを送受信
する際には、ペアリングと認証だけをNFCで行い、実際のデータ転送は別の高速な通信規格で実行させます。
通信だけを別の高速規格に引き継ぐ事をハンドオーバーと言います。ハンドオーバーには2種類があります。
・ Bluetoothハンドオーバー
・ Wi-Fiハンドオーバー
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