◆ 無線電波調整 - RRM
Cisco WLCのRRM(Radio Resource Management)機能によって以下の項目を自動調整できます。
@ 周波数(チャネル)の動的な割り当て
A 無線電波(送信電力)の動的な調整
B カバレッジホールの検出と修正、無線リソースの監視
@の動的チャネルの割り当ては「DCA Channel List」に登録されているチャネルを使用して割り当てます。
※ 「WIRELESS」⇒「802.11a/n」⇒「RRM」⇒「DCA」と「WIRELESS」⇒「802.11b/g/n」⇒「RRM」⇒「DCA」で設定。
※ 屋外へのAP設置のみ、非DFSチャネルのチェックを回避したい場合は「Avoid check for non-DFS channel」にもチェック。
上の設定例では動的に割り当てるチャネルリストに36〜64までがリスティングされていますが、例えば追加で
W56の周波数も動的なチャネルリストに含めたい場合は、該当チャネルの左側で「Select」をチェックします。
設定例の「Channel Width」では40MHzを選択していますが、W53などの干渉により割り当てられるチャネル
が少ない場合、11nを使用する設計でも20MHzを選択して安定した無線LAN通信の設計とすることが望ましい。
Aの送信電力の調整アルゴリズムは、TPCv1またはTPCv2の2つのバージョンから選択をして行います。
※ 「WIRELESS」⇒「802.11a/n」⇒「RRM」⇒「TPC」と「WIRELESS」⇒「802.11b/g/n 」⇒「RRM」⇒「TPC」で設定。
TPCのバージョン |
説明 |
TPC (Tx Power Control) v1 |
通常電力を低く維持することでキャパシティを増やして干渉を減らす。デフォルト値。 |
TPC (Tx Power Control) v2 |
干渉を最小にするために送信電力を動的に調整する。高密度ネットワークに適している。
このモードはローミング遅延、カバレッジホールのインシデントが多く発生する可能性がある。
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つまり、特別なネットワーク(高密度なネットワーク)ではない限りデフォルト値であるTPCv1が推奨です。
そして、Tx Power Level Assignment Alogrithm についても以下の説明からしてデフォルト値が望ましい。
Power Level Assignment Method |
説明 |
Automatic |
WLCにジョインしている全てのAPの送信電力が10分後に評価されて自動調整される。 |
On Demand |
右側の"Invoke Power Update Once"を選択した場合のみ自動調整される。 |
Fixed |
右側の"ドロップダウンリスト"から選択した固定値に設定される。 |
※ Maximum Power Level Assignment は電波の最大出力値、Minimum Power Level Assignment
は電波の最小出力値です。
◆ 無線電波調整 - 手動
WLCのRRM機能を使用せず、APごとに手動でチャネルの割当て、電波出力を調整したい場合の設定は以下。
※「WIRELESS」⇒「Access Points」⇒「Radios」⇒「802.11a/n」と「802.11b/g/n」選択後に画面右側タブで
Configure 選択。
設定例では手動のチャネル割当を「36」として、手動の電波出力を「1」として設定しています。チャネル
ボンディングを行っている場合、Current Channelが例えば 36(Extention 40)のように2つ表示されます。
Tx Power Levelは、APの型番により「1〜4」「1〜5」「1〜7」などの段階がありますが、パワーレベルを
最大値にするためには 1 にします。つまり数字が若いほどパワーレベル(送信電力レベル)が強くなります。
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